REPORT_「キリトリ風景ごろごろドーム」

驚きの学校「キリトリ風景ごろごろドーム」

先生:水内貴英(美術家) 

日時:2017年12月17日(日) 11:00-16:00


驚きの学校、2回目の授業は図工!

先生は美術家の水内貴英さん。

水内さんは毎回毎回、まったく違ったワークショップを提案してくださるアーティストです。

使う素材もバラエティゆたかで、布あり、ガラスあり、ビニールあり、藁あり、、、。


少し水内さんのプロフィールを紹介します。


<私は、作品を作るときに、多くの表現手法を用います。

それは、インスタレーションであったり、ワークショップであったり、パフォーマンス、彫刻、写真であったりもします。

しかし私は、それらの個々の表現手法を洗練させることについては、それほど興味をもっていません。

重要なのは、ある場所や状況の中で表現されるべきものが、的確に表現されているかどうかということなのです。

そのような理由で、私は、新しい場所や状況に直面するたびに、

新たな表現手法を模索します。新たな表現手法の模索は、私に、社会に対する新たな視点を与えてくれます。

私は、私の作品を通して、そのような、社会に対する新たな視点を多くの人たちと分かち合いたいのです。>

https://www.takahidemizuuchi.com/


水内さんは、こんな見方もあるんだ!こんなこともできちゃうんだ!という驚きを、場にもたらしてくれる人です。

驚きの学校で美術をやるなら「工作をする、絵を描く」図工とはちょっと違った世界を見せたい。ものを作るだけじゃなくて、何かを感じたり、お話したり、くつろいだりすることも美術の大切な要素だということ伝えたい。そう考えて水内さんにお願しました。


会場の下見を経て水内さんから出てきたプランは「風景」と「きゅうけい」

坂が多く海もあり山もある熱海をめぐって「風景を切り取る」というキーワードがでてきました。

そして、海の見える窓の前でごろごろくつろいで、改めて世界を見てみる「きゅうけい」の時間。

当日はこんな看板が貼られました。


ドームの横に作られたクッションづくりスペースでは布に、いつも見ている風景の中にあるものを「うるおぼえで」描いていきます。

風景ということばはちょっと難しく、好きなものを描いていた子もたくさんいましたがそれもOK!今日のテーマは「がんばらない」ですから。


描いた布をミシン隊のところに持っていくと、クッションにしてくれます。


わたをつめたらクッションのできあがり!


あとはとことん、ごろごろします!!


<つぶやき>

ごろごろ、ふわふわ、ぬくぬく、さわさわ、ぎゅぎゅっ、、ドームのなかはいろんな擬態語があふれていて、全身で味わえる空間でした。

お弁当を食べたり昼寝をしたり、お母さんたちもドームのなかでごーろごろ。

井戸端会議ならぬ、ごろごろ会議にも花が咲いていたようでした。

工作の時間もゆる〜い空気が流れていて、失敗して落ち込んで消したくなる、、なんてシーンが不思議となく、ゆるい工作の場を作ることができました。


水内さんとの振り返りでは、もうちょっと「キリトリ風景」のキーワードに寄せるつもりだったものの、子どもたちが想定よりもあまりにクッション作りに夢中になっていて、クッションという題材が魅力的すぎたという反省?もありました笑。

「風景を切り取る」というのはコンセプチュルだしアートだし来ている子の年齢に対してやや大人っぽい内容だったかなとも思います。

でもぎゅっとクッションを抱きしめてごろごろしている子たちを見ていると、これはこれでいいのかな?とも思いました。

がんばってすべて伝えようとしなくてもいいものかもしれない。

ワークショップを動かすのは毎回参加者。想定しなかった楽しみ方もあったり。

思い通りに展開しないのも醍醐味ですね、と水内さんと味わい返したのでした。

驚きをさがす旅はつづきます・・・。


<協力>(敬称略)

会場協力:南熱海マリンホール、atamista

運営協力:スズキノブヨシ、スズキトーチ、安藤真知子、大竹さゆり、齋藤千紗

写真撮影協力:田中洋二

映像撮影協力:スズキトーチ


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